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「うんうん、ぜひ、そこでまた会おうよ!」「OK!」

弓枝は、さっきこのアメリカフロリダのディズニーランド周辺のディスコで知り合ったばかりの二人組の男のうちの一人といつの間にか帰国後の再会の約束までしていた。

「ちょっと!なんだ君は!この女性は僕のフィアンセなんだ!馴れ馴れしくしないでくれ!」とうとう、耐え切れなくなったらしく、愛武がオレンジジュースを二つ両手に持ったままで、大声で怒鳴った。見るとそのオレンジジュースを持つ手はワナワナと震えていた。

「ええ、そうなの!?フィアンセがご一緒だとは気づかなかった物で・・・あぁ、どうもすみません!」とても素直にこのニヤケタ二人組の男のうちの一人は、すぐにそう謝ってきた。きっと、面倒が嫌いなのだろう。

「愛武ぅ~!怒るなんて酷いよ!ただ、楽しくおしゃべりしていただけなのに・・・あんまりだよ!」「でも、君は僕ともう婚約したんだよ!勝手な真似は困るよ!」「ええっ!それ、まじぃ~!愛武ってそんなにうるさい人だったんだぁ~!何か今まで私が思ってた愛武と全然違っていてショックだよ~!」

「俺達、場所移動しますから・・それじゃ!」二人組の男はそそくさと決まり悪そうにその場を立ち去って行った。

「ああああぁあ~~~!帰っちゃったじゃぁん!せっかく仲良くなったのに、酷いよ~!あんまりだよ!愛武がこんなにうるさい人だったなんて・・・・!」「僕も好きでうるさくしている訳じゃないよ!君がこんなにも軽い女性だとは知らなかったよ、僕の方こそショックだよ!」愛武は今起きた突然の出来事に驚きと絶望を隠せない様子で狼狽した。

気づけば手に持っていたオレンジジュースを興奮のあまり、とても強く力を入れて握り締めてしまったので紙コップはクシャクシャになり中身のジュースは全て零れ落ちてしまっていた。

「ああ、もう!ジュース飲みたかったのに!早く新しいのと取り替えてきて!」「自分で行ったらどうだい!」「何よ!その言い方!..あああっ!私のシャネルのスーツにジュースが掛かっちゃったよぉ~!どうしてくれるの!?」「どうしてって!?それは僕が買った物だよ!それに、汚れたならクリーニング出せばいいよ!」「だって、もう今日の夕方には飛行機に乗って帰国するんだよ!クリーニング出している暇なんてないよ!」「日本に着いてから、すぐにクリーニング屋に行こうよ!」「それじゃ、時間が大分経っているから絶対にシミが残るよ!弁償として指輪を買ってちょうだい!ううん、ネックレスでもいいよ、ダイヤ入りでプラチナのやつにしてね!」

これは、二人が出会ってから正真正銘の初めての喧嘩だった。こんなにも激しく罵り合ったのは本当に初めてだった。

「もういいよ!」突然、弓枝はそう言うとその途端、その場から走り去った。勿論、その後を愛武は追いかけたが、意外に早足なのですぐ、姿を見失ってしまった。一体、何処へ行ったのだろう!?そう思ったが分かる訳も無かった。とりあえず、ホテルの部屋に戻ればきっと戻ってくると思ったので愛武はディスコを後にして一人ホテルの部屋に戻ったのだ。案の定、数十分ほどすると、弓枝はホテルに戻って来た。一時間も待たないで済んだのだ。だが、何だか様子が変だ。機嫌が悪いのはさっきあんなことがあったんだから当然だろうけど、その他にもまるで何かあったかのように顔色がすごく蒼ざめていて眼つきも鋭かった。

「愛武!日本に戻ったらすぐにクリーニング出してよ!それから、上野のダイヤモンド街に行くからね!」「いいけど、何しに行くの?」「シャネルのスーツのシミの弁償としてプラチナ台のダイヤの指輪買ってもらうってさっき言ったはずだよ!人の話ちゃんと聞いている?」「ああ、ごめん、ごめん、今思い出したよ!うん、分かった必ずそうするよ!」「必ずね!」

それから、二人は、ホテル内のお土産コーナーに向かい、弓枝に指図されるまま、愛武が、しこたまあれやこれや買う羽目になったのだった。その中には、今すぐ必要だとはとても思えないような物もあった。その一つはタコのお人形がついた浮き輪だった。他にも、団扇だとか、扇子だとかあまり必要性がないと思えるものが多かった。でも、弓枝が、どうしても欲しいというので言われるままに愛武はそれらの土産品を買ったのだった。

帰国の時間が近づき、空港に着くと、また、弓枝が行きたいと言うので、空港内のお土産品コーナーにすぐ向かった。そこで買った物は、まずフロリダとはあまり関係ないと思われたが、これまたどうしても飛行機の中で食べたいと言うことで、ハワイのマカデミアナッツ入りチョコレートを買ったのだった。

それから飛行機の搭乗時間までまだ時間があったので喫茶店に入りお茶をした。「ねぇ、愛武!人の話ちゃんと聞いてる!?さっきからずっと上の空じゃない?」「そんなことないよ!ちゃんと聞いているよ!」「じゃあ、今さっき話したこと言ってみて!」「えっ!突然言われても・・」「ほらっ!やっぱり聞いてないじゃない!?・・・だから、日本に着いたら、もう私が他の人と話しても邪魔しないでって言ったの!それから、他の人の前で婚約していること絶対に内緒にして欲しいの!だって、そんなこと誰にでもベラベラ話すことじゃないでしょ!」「うん、分かったよ!でも、一言イっていい?婚約していることって内緒にしないといけないことかな?それは僕は違うと思うなぁ~!」「私は嫌なのね!だってプライバシーで個人情報だよ!それから、愛武、私、今回の旅行のディスコでの件ですっかり気分害しちゃったから、婚約の話無かったことにして欲しいの・・・性格が合わないと思うのよ!」「そっ、そんなぁ~><!!謝っても無理かな?」「うん、無理、でも、どうしても仲直りしたかったら、もう一度婚約を考えて欲しかったら、日本に帰ったら、二人で会う場所としてマンションを借りるから頭金をすぐ用意して欲しいの・・100万あればおつりくるから大丈夫でしょ!」「そんなに掛かるの?」「うん、最低それくらいはどうしても掛かる、それにそのお願いを聞いてくれなったら多分、もう会うことは出来ないと思う」その時、弓枝の目が鋭く冷たくギラギラと光っていた。「良いけどさ、それくらいならなんとかなると思うけど、別にマンションを借りなくてもデートは出来ると思うけどなぁ」「私は、落ち着いてジックリと寛げる場所が欲しいの・・・その協力をしてくれないのなら、あなたとはもう会えない・・」「分かった、考えてみるよ!」「考えてみるじゃなくて、必ずそうしてよ!」

そうこうしているうちにあっという間に搭乗時間が残り僅かとなったので、愛武と弓枝の二人は空港内の喫茶店を背にして飛行機の搭乗口に向かった。

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