それから、直ぐ愛武は弓枝から耳当て付きの花柄のニット帽子とウェスタンブーツのある場所を聞いて携帯にメモすると直ぐにその売り場に足早に向かった。正に行動力の男であり同時に少女漫画の王子様のようにキリリとしてハンサムで甘いマスクのメルヘンの使途である愛武の男らしく凛々しい決断の一幕だ。
まず最初に1Fの婦人靴店コーナーに向かった。
「あ、あの先ほど、ウェスタンブーツの取り置きをした女性がいたと思うんですが、僕が代理で引取りに来ました! 」愛武は、婦人靴店の店員と出会い頭、第一声を放った。
「あ、先ほどの方の代理の方ですね!あっ、ですがお客様本人でないと、もし間違いだった場合困りますので・・」そこまで店員が言い掛けた時だ、愛武が直ぐ途中から会話に入って行った。
「では、携帯電話に本人を出しますんで直接話して判断して下さいよ!」「はぁ~!、確実に本人様だと分かれば、それでも構いませんが・・」
店員が返答している時には既に愛武は弓枝の携帯に自分の携帯で電話を掛けていた。そして、直ぐに7階の婦人バッグ売り場にいる弓枝の携帯の着信メロディーが鳴ったのだ。弓枝が携帯を耳に当てると愛武の声が直ぐ飛び込んできた。
「弓枝ちゃん!今、1Fの婦人靴店の店員さんに代わるからさ、本人確認がしたいんだって!」「分かった!直ぐ代わって!」
直ぐに電話の相手の声が1Fの婦人靴店の店員に代わった。弓枝がウェスタンブーツを買った時応対した女性店員だった。
「あっ、もしもし先ほどの者ですが、そうそう、ウェスタンブーツを買った物です!その男の人、私のフィアンセなんですけど、彼から代金を受け取って商品を渡して上げて下さい!」
どうやら、話は直ぐに付いたようだった。
話し終わってから15分か20分位してから愛武がまるで爽やかな春風のように軽やかな足取りで弓枝の前に舞い戻ってきた。その手には、少し大きめのウェスタンブーツが入っていると思われる紙袋と白とピンクの花柄デザインの耳当てニット帽子が入っていると思われる小さい紙袋をシッカリと抱えていた。耳当てニット帽子の方は弓枝に本人確認の為に電話連絡を取らなくてよかったようだ。
「あ、愛武、有難う!待ってたぁあ~~!」
そう愛するフィアンセに呼びかけている弓枝は、パイプ椅子に腰掛けながら18番の癖である右手の指先に明るい茶髪のセミロングのシャギーカットの髪の毛の右サイドの一部分の毛先をクルクルと巻きつけて弄んでいた。
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