「ねぇ~、愛武ぅ~!今から、うちの近所のマルイまで来れないかなぁ?困ってるのよぉ~!助けて欲しいの!」「えっ!今からなの?今ね、タレント養成学校が終わって家に帰って来たばかりなんだ!だから今からそこに行くとしたらちょうど一時間半位掛かるけどいいかなぁ?大丈夫だったら行くよ!」―今日は週末の土曜日なのだ―「うん、いいよ、いいから来て!なるべく早く着て欲しいの!」「分かったよ!今から直ぐ、そこへ向かうから待っていてね!」「愛武、有難う!いつも我侭ばかり言ってごめんね!」「いいよ!弓枝ちゃんの為だったら僕は、すっ飛んで行くよ!」「嬉しい!」「何を言ってるんだ!僕の未来のお嫁さんだろう!?困ってたら助けるのが当然の事だよ!」「愛武、きゃぁああ~!カッコいい!」「照れるなぁ~!あっ、そうそう、出る前に聞いておきたいけど一体何があったの!?」「うん、それがねぇ~、アメリカのディズニー旅行で必要な物、お金が足りなくて取り置きしたんだけど、その件とあと他にも必要な物とかあるし、旅行直前で慌てたくないから協力して欲しいのよ!」「うん、そうだよね!旅行直前で慌てたくないものね!それなら今すぐ行くから、待っててね!」「うん、待ってるぅ~!」
その後直ぐに携帯の音信が途絶えた。
愛武が今から来てくれるのだ!だから、弓枝はもう何も迷わないで、後は唯、愛武が来るのを待って入ればいいのだ!
ただ愛武が来るまで、後一時間半掛かるのでその間、マルイの中をウィンドウショッピングする事にした。弓枝が真っ先に向かった商品コーナーは、婦人用靴店の中のブーツ置き場だった。“アメリカのフロリダに行くのだもの、お洒落しないとね!”弓枝はそう考え、飛び切りカッコいいデザインのウェスタンブーツを見学した。“やっぱり海外旅行だから超カッコいいお洒落なブーツがいいよねぇ!”そんな事を思いながら弓枝は、ブーツのコーナーをグルッと見回した。
「何かお探しですか?」気づけば婦人用靴店の女性店員が直ぐ後ろに立っていた。
「あ、これの25cmありますか?」「はい、只今調べますので、少々お待ちください!」
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