「ええっ!でもぉ~前、このバッグ買った時に、ここの店員さんに気に入らなかったら新品同様で返してくれれば返金をしますって言われましたけどぉ~!」「それは、本当にうちの従業員が言ったのでしょうか?」「はい、言ったとおり責任を持って返金して貰いたいんですけど!」「はぁ~、でもそう言われましても当店の規則で、一度お買い上げになった商品は返金不可となっておりますので・・・大変申し訳ありませんが、今回はお引取り願います!」「ええぇぇええっ!でも、一度そう言ったんだから約束は守ってくださいよぉ~!ずるいじゃないですかぁ~!」「そう言われましても当店の規則では返金不可となっておりますので・・・・」
と7階の婦人バッグ売り場の女性店員が話しているその途中で急に弓枝が自分の右掌を中央レジの真ん中に叩きつけたのだった!その途端“バンッ!”と大きな音が7階の婦人バッグ売り場の周囲に広がった。それと同時に弓枝の大きなドラ声が店内イッパイに響き渡った。
「ふざけるなよぉ~~!最初の約束どおり、まだ一度も使ってなくて新品のままなんだよぉ~!言っていたとおり、ちゃんと返金しろよなぁ~~!」
その時、顔つきは険しくてまるで鬼女その物だ。その愛らしくて美しい優美な顔立ちからは到底想像できないような豹変振りだった。
「おい、聞いてんのかよぉ~!このクソばばぁっ!」
店員は完全にブルってしまって、その顔は突然の迫り繰る客の暴言に対する恐怖に蒼ざめていた。
「わ、わかりました!はい、では今回だけは連絡事項の不行き届きという事で特別にレシートをお持ちでしたら返金いたしますが・・」
店員が蒼ざめながらもプロらしく礼儀正しく丁寧に対応すると弓枝も少し気を良くしたのか、少し柔らかい口調になりこう言い放った。
「レシートは、持って着てないけど値札が付いたままだから記録を辿れば、レシート出てくるはずでしょ!何時間でも待つから調べてちょうだいよ!」「はっ!はい、かしこまりました!今からお調べしますので少々お時間の方掛かってしまいますが、よろしいでしょうか?」「だから、何時間でも待ちますからお願いします!」「はい、わかりました!それではお待ち下さい!」
弓枝は直ぐ傍にある、いつのまにか準備されたと思われるパイプ椅子に腰掛けた。
それから暫くずっと、レシートの記録用紙を調査している店員の傍で弓枝はパイプ椅子に腰掛けてずっと結果が出るのを待っていたのだ。
するとそこへ、予定時間より少し送れて―15分くらいだと思う―愛しいフィアンセ、花のプリンスの愛武が登場したのだ。
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