愛武が弓枝を家族に紹介し終わると、愛武の提案で皆で記念撮影をする事となった。愛武が弓枝と仲良く腕を組んで中央に立ち、愛武の父親と母親が両脇に立った。カメラを三脚架の上に乗せて準備が整うと皆がニコッと微笑み、自動設定にしたカメラのシャッターが自動で切れる瞬間弓枝は右手の人差し指を右頬に添え、明るく“チーズ”と叫んだ。和やかに愛武の家族との記念撮影が終わると、愛武の母親が皆で夕食をと弓枝を誘ったが弓枝は用があるから、そろそろ帰らないと行けないのでと言い断ったのだった。
「愛武、ごめんなさい、そろそろ私、帰らないと・・・」「いいよ、これからは、いつでも来たい時僕の家へ来ていいからね!正式にはまだだけど僕達はもう婚約したんだからね!」「有難う、嬉しい、今度会うのは旅行の時だね!それまで体壊さないようにね!」「うん、分かった健康管理には気をつけるよ!弓枝ちゃんも気をつけてね!」「分かった、気をつけるよ!それじゃ、もう帰るね!おじさん、おばさん、それじゃソロソロお邪魔しますね!」「はい、またいつでもいらっしゃい!」
弓枝が帰る時、愛武のお父さんもお母さんも始終ニコニコ顔で上機嫌だった。それほど、弓枝の事が気に入ったのだろう。
弓枝は愛武の家から外に出ると何かを思い立ったようにバッグの中から携帯電話を取り出してすぐにどこかに電話を掛けた。電話の相手はあの楓だった。
弓枝はその頃、自室で愛武から誕生日のプレゼントに貰った綺麗な瑠璃色のオルゴールの音楽を聴いていた。気分が最高にロマンチックに浸って盛り上がっている最中に携帯電話がディスクの上から鳴り響いて来たのだ。“あら、携帯が鳴っている、誰からかしら!?”楓は、そう心の中で考えてから徐にディスクの上から着信音が鳴り響いている携帯電話を取り上げた。
「もしもし、楓、誰だか分かるでしょ?・わ・た・し・弓枝だよ!」「うん、分かるよ!だって弓枝ちゃんの声じゃんか!」「そうそう、ねぇ!これから会えない?」「えっ!いいけど、何かあるの?」「うん、だからね・・・この間みたいにさぁ、だけどこの間よりもっと楽な方法で遊ぼうよ!」「えぇっ!それってどういう意味?どんな遊びなのぉ!?気になるなぁ、教えてよ!」
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