“啓文堂書店”に着くと愛武と弓枝は、すぐに雑誌コーナーに向かった。暫く、雑誌コーナーの棚を満遍なく「ケイコとマナブ」を探すと左端の方にそれが見つかった。
程無く、その場に立ったまま、その雑誌を広げると沢山のお稽古事や専門学校などの紹介が掲載されていた。パラパラとページを捲って行くと、すぐに、お料理学校の紹介が見つかった。だが、実に沢山の種類があり、その中のどの学校にするか弓枝は悩んでしまった。
「ねぇ、愛武、和食と洋食だったら、どっちの学校がいいかなぁ?」「そうだねぇ、よく考えて見て自分が行きたいと思うほうで良いのじゃないかな?」「うん、そうよねぇ、弓枝ちゃん、ケーキ教室にも行ってみたいなぁ~!」「いいね、楽しそうだね!」「愛武は学校とか教室とか習い事に興味ないの?」「よく聞いてくれたね!実を言うとね、僕、毎週、土日の週末のどちらかをタレント養成学校に通っているんだよ!それで数日後にオーディションがあるんだけど、それに受かれば念願のスターとしてデビューする事ができるんだよ!」「ええ!本当に!凄いね愛武、本当に受かったらいいね!応援するね!」「有難う!」「愛武だったらセンスあるしカッコいいし、きっと受かるよ!」そう言いながら弓枝の瞳がお星様のようにキラキラと輝いた。それ程、愛武の隠れた天性に触れて感動したようだった。
「ねぇ、愛武、オーディションの結果っていつ分かるの?旅行行く前に分かるかなぁ?」「多分、旅行が終わった後になると思うよ、来月だと思う」「もし、愛武がスターになったら、弓枝ちゃんスターの花嫁さんになるんだね!わぁ~夢見たい!」「うん、そうだよその日が来るのを楽しみにしていてね!」「うん、楽しみにしているね!」
二人だけの甘い会話を楽しむ傍ら料理学校を調べて見ると入学金も一回の授業料も5000円前後のものが多く思ったより予算が安く済みそうで愛武は、一安心した。
「ゆっくりで良いからどの学校がいいか決めてね!じゃあ、その雑誌を持って今から僕の家に行こう!約束通り家族に紹介するよ!」「うん、行きたい!すぐに行こう!」
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