結局、よく二人で話し合った結果、愛武と弓枝は、まず外に出かける事になった。ただ、直ぐに食事をするのではなくて、まず、この間あった時約束した今度旅行に行く為に旅行会社に寄る事にした。
某旅行会社に愛武と弓枝の二人が着くとその中で弓枝がアメリカのツアーのパンフレットを手に取って、しきりに愛武に対して「ねぇ私、アメリカに行きたいな、アメリカのディズニーランドに前から行きたかったのよ!お願い、アメリカにしようよ!ねぇ、そうしよう!」と何かを強請る時にいつもする猫撫で声を出して、擦り寄って行った。
「アメリカのディズニーならカルフォルニアとフロリダにあるね!どっちに行こうか?」「わぁ~!嬉しいなぁ!本当に連れて行ってくれるの!?」「勿論だよ!この間、約束しただろう!僕は嘘は付かないよ」「うぅん、本当に?じゃあ、私ねぇ、フロリダがいいなぁ、だって4つのパークがあって世界最大でしょ!皆にも自慢できるし、ねぇフロリダにしよう!」「うん、君がフロリダがいいなら、僕はそうするよ!」「わぁ~い!有難う愛武!弓枝ちゃん幸せ!!」「いいよ、君が喜ぶのなら僕は、世界の果てだろうと連れて行くよ!」「きゃぁ~!カッコいい愛武、素敵!!」
そう言うと弓枝は、ピンクのハーフコートの裾をヒラヒラと翻しながら軽くその場でピョォーンと飛び跳ねていきなり愛武に抱きついた。その時、美しい花の妖精のような可憐な弓枝と凛々しい花のプリンス愛武の仲睦まじい、お熱いシルエットが周りの注目を浴びたのは言うまでもない。愛武の黒いタキシードと弓枝のピンクのハーフコートの組み合わせの絶妙なハーモニーが狂おしいほどに哀愁を奏でていた。
「じゃ、今、受付でフロリダ旅行の契約をしてくるね!」「うん、じゃあ、ここで待ってるね!」
弓枝は、旅行会社の待機用に用意されたソファに腰掛けると少し伸びをしてから、再び旅行パンフレットに目をやった。そのパンフレットの内容は、出発日によって金額が違うが、二人合わせて30万か40万あれば十分楽しめるようになっていた。フロリダディズニーの美しい興味を惹く画像が満載で弓枝はスッカリそれに気を取られてしまった。つまり気に入ってしまったのだ、すると愛武が用を全て済ましたようで弓枝の方に戻ってきた。
「ねぇ、愛武、今すぐだったら変更無理かな、こっちのツアーの方が楽しそうなのよ!」