弓枝が愛武に見せたパンフレットは、同じフロリダ旅行のパンフレットだったが、こちらの方も内容はさっきの旅行の時と殆ど変わらない感じだった。だが、もし違いがあるとするなら、オプションで付く物が、最初から込みになっていて料金もその分が最初から加算されている形だという事だろう。
「現地に付いてから色々悩んでオプションを付けるより最初から付いていた方が簡単でいいよ!ねぇ、愛武!」
それはフロリダディズニーで遊べる範囲にも影響している物が最初から決めれたり、食事に最初からバイキングを頼めたりとか決めれる物だと旅行パンフレットに軽く目を通して愛武は直ぐ理解した。
「分かった、最初からオプション込みにしておこう!その方が便利に決まっているからね!さすが弓枝ちゃんは賢いね!」「まあね!賢さには自信あるよ!有難う愛武!」そういいながら、弓枝は得意げに右腕を上げてガッツポーズを取った。
「じゃあ、一人16万5千円だから二人でちょうど33万円だね!わかった、今すぐこちらのツアーに契約を変えてくるよ!待ってて!」「うん、頑張って!」
旅行受付に向かう間、愛武はしきりに頭の中で“33万円じゃ小遣いも持っていかないとならないから60万か70万嫌、もっと多めに見積もって100万は必要だな”と頭を悩ましていた。
勿論、父親から家を出る前に300万円を受け取っているから、決してお金が無い訳ではなかったが、このお金は婚約指輪に使うために貰ったお金なので、旅行に沢山使いたくなかったのだ。
しかし、贅沢好きな弓枝の事だから向こうに着いたら高価なブランド物をせびるに決まっている。最低でも、やはり、100万円は絶対に必要なのは明らかだ。そうなると父親から貰った300万が200万円になってしまう事になる。結構な出費だ。だが、止むを得ない、二人の愛を深める為に絶対に必要な出費なのだ。
そんな事を考えながら旅行会社の受付に向かい、無事に変更をし終わると愛武は、再び弓枝の下へ舞い戻った。
「弓枝ちゃん!変更完了したよ!」「わぁ~旅行の日が楽しみ!今月の26日だよね!」「そうだよ!26日だよ!」「さっそく旅行に必要なグッズや着替えの準備しないとね!」
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