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旅行の手配が全て完了すると愛武と弓枝は旅行会社を背にして食事所へと向かった。弓枝がお腹が空いたので何か食べたいと言い出したのだ。食事の場所へ向かう途中、愛武は弓枝の胸にこの間のデートの時にプレゼントしたピンクダイヤモンドのネックレスが光っている事に気づいた。

「この間プレゼントしたピンクダイヤモンド、とっても似合っているよ」愛武が優しく弓枝にそう言うと弓枝はとても照れくさそうにはにかんで頬を赤らめてみせた。それほどまでに愛武にタイミングよく褒められたのが嬉しかったのだろう。

そして弓枝は今、二人でいる都内の某百貨店の前まで来ると愛武の右腕にシッカリと左腕を回して腕組みをし、その何かを訴えかけるような愛らしいキラキラと輝く瞳は一心に坊ちゃん狩りの貴公子愛武に注がれていたのだ。

「さあ、これから中に入るよ」「うん、これからここの中で食事をするのね」「うん、そうだよ!さて食事は何がいいかな?」「うん。。とね、弓枝ちゃん、サッパリしたのがいいな、おそばが食べたい!」「じゃあ、和食だね!うん、いいよ入ろう!」

弓枝はさらに、キツク強く愛武の右腕に自分の左腕と右手でしがみ付くと頭を愛武の右肩に傾けて甘えるように擦り寄った。この時、誰が見てもタキシード姿の愛武とピンクのハーフコートと派手な柄の黄色いワンピースを着た弓枝の二人は立派なお似合いの恋人同士だった。

愛武は食事が終わったら、いよいよ弓枝に予定通りプロポーズをしようと決めており、その心中は熱く赤く燃え上がっていたのだ。

食事をする階に向かうエスカレーターの途中で弓枝は「ああ、今から旅行に行く日が楽しみ!」と言い、ウットリした表情で愛武の右肩に終始擦り寄っていたのだった。

「最初にも言ったけど食事の後で君に大事な話があるからね」花のプリンス愛武の瞳がキラキラと少女漫画の王子様のように光った。「うん、聞いたよ、でも何その大事な話って!すごく気になるなぁ、よかったら今話せない?」弓枝の瞳もクリクリと大きく瞬いて、キラキラとお星様のように輝いた。「ごめんね、やっぱり、ものすごく大事な話だから食事が終わってからにしたいんだよ!食後の飲み物を飲みながら話すからね!」そう言われてしまえば、何も言い返せるはずもなかった、弓枝は素直に愛武に従って百貨店の食事所へ向かった。

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