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愛武と弓枝の馴れ初めは、愛武のガールフレンドの誕生パーティーに招待をされた時の事だった。
愛武のガールフレンド、“楓”は、マジに単なる仲だった。愛武からみたら、どうしても女としてみれるタイプではなかった。色気が無いとかブスだとかそういう問題ではなくて、決して毛嫌いをしている訳ではなかったが少なくとも燃えるような恋心を抱けるタイプではなかったのだ。今の愛武には、そういう燃えるような愛の対象はいなかった、だから、いつも愛武は何かに渇望しているような、まるで砂漠のような心理状態であった。
楓の誕生パーティーは、楓の個人宅の自室で行われた。「ねぇ、ねぇ、楓ちゃん!これ、なぁ~~んだ?!」愛武が用意して来た楓宛の誕生プレゼントを両腕を伸ばして差し出した。それは可愛い薄紫のリボンが付いていてピンク色の真四角の15cm四方の大きさのプレゼント用の箱だった。「わぁ!有難う、さっそく開けて見るね!」楓がそのプレゼントの箱を開けて見ると、中には楓が前から欲しかった綺麗な瑠璃色のオルゴールが入っていた。
「それ、百貨店で見つけたんだ!気に入ってくれたら嬉しいな!」「もち!気に入ったよぉ~!!感激しちゃったぁ、本当に有難うねぇ~!!」楓はよっぽど嬉しかったらしく、愛武に何度もお礼を言った。
その直後だパーティー会場の楓の部屋の奥の方から声がした。「ねぇ!随分と楽しそうだね!私もプレゼント持って来たよ!ほらっ!」そう言うと、いきなり、ポンッと楓目掛けて投げて来たのだった!「きゃっ!!」楓は突然、顔面にヌルットしてヒンヤリした不可解な感触を覚え、驚いてしまって叫んだのだった。よく見ると、それはあのネバネバした不思議な半透明の物体のスライムだった。色は薄緑色だ。
「これ、欲しいって前から言ってたじゃん!」
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